2014年7月2日水曜日

実はトラリピは初心者には危険!リスク管理の難しい売買ツール

mt4やミラートレーダーが自動売買ツールとして
有名になっている一方で、マネースクウェアジャパンの
トラリピという売買も人気を博しています。



どのような売買ツールかというと、
小さい値幅を数多く取り利益を稼ぐという手法です。

取引イメージ図
















価格の値動きの幅を予測し、
いろんな価格で仕掛け、少し上がれば利益確定するため
勝率が高く、利益も多く積み上がります。

一見よさそうな売買システムですが、
どこにリスクが潜んでいるのでしょうか。




次の図は同マネースクウェアジャパンからダウンロードした
USD/JPYの日足を使って作成したグラフです。
2007/04/01~2014/06/30のUSD/JPY日足の
昨日からの変動幅をヒストグラムで表したグラフになります。



























下の行は、前日の終値から本日の終値でUSD/JPYの値が
何%動いたかを表しています。

0%付近が最も大きくなっており、変動幅が大きくなっていくにつれ
該当数も少なくなっていきます。

ココで注目したいところは、-3.00%や3.00%など大きく値幅が動いた部分です。

























裾野が広く伸びていることがお分かり頂けるでしょう。

これは他の通貨ペアや株式市場、先物市場でも見られる特徴なのですが、
相場は正規分布ではなくベキ分布になっているのです。

どういうことかというと、たとえば人間の身長は正規分布で捉えることができます。
大体150cm~180cmの人が95%を占め、稀に140cmや2mなど背の高い人も存在しますが、
身長5mなどといったそんな進撃の巨人は見たことがありません(笑)。

しかし、相場の世界では実情が異なってきます。
正規分布を大きく逸脱した変動幅を見せるのです。
近年で言えば、2008年のリーマンショックや株式市場のライブドアショック、
日本のバブル経済などが記憶に新しいでしょう。

こういった5m級や10m級の巨人が稀にいきなり現れてしまうのが
この金融市場になります。


それを踏まえた上で、トラリピのシステムをもう一度考えてみましょう。
手数の多い仕掛けと利益確定によって細かい利益を積み上げていくシステムです。

仕掛けた方向に著しく大きく動いた場合は、利益を得るチャンスを逃します。
仕掛けた方向と大きく逆に動いた場合は、大きな損失を被ることになります。


通常の相場では、正規分布のような値動きを見せるため、
『トラリピでは8割の投資家が儲かっている』の謳い文句は間違ってはいません。

しかし、実際ベキ乗分布にしたがっている為替市場で
このシステムを使うと非常に危険なのです。

あるとき非常に大きな値動きが発生し、損失をカバーしきれず市場退場を余儀なくされるでしょう。


勿論、勝率が高いシステムであるため、負けるまで細かい利益が積み重なりますので、
なかなかシステム運用をやめられないという初心者泣かせのシステムである、と言えます。

なので、当ブログではトラリピは推奨致しません。

どうしても運用したいという場合のみにして頂ければ幸いです。


国内業者を利用して自動売買したい場合は
次の記事(ミラートレーダーで自動売買できる)へ

海外業者を利用して自動売買したい場合は
次の記事(meta trader4で自動売買できる)へ




目次に戻る